とある地方の中核都市、そこに高くそびえる高層マンション。その最上階のペントハウスで母、姉、双子の妹と暮らす青年・鷺宮峻。いくつかの不動産を所持する鷺宮一族は、古くから血族のみに欲望をおぼえ、血族婚を繰りかえすという呪われた業を背負っていた。その一族の習性を知る峻は、思春期を迎える頃から身内である母や姉に欲情を覚える自分自身を嫌悪していた。現在は姉の香夜に性欲解消の手助けをしてもらい、何とか抑えてはいる。けれど、近い将来、過ちを犯してしまいそうな危険を予感していた……。そんなある日、突如来客が。現れたのは、峻と同じ年頃の少年タカと、慎ましやかながら豊満な肉体を持つ美しい女性ハル。彼らもまた同じ鷺宮の血を引く一族なのだという。峻の戸惑いをよそに、歓迎する母葉月の供応に応じ、少年と女性は何食わぬ顔で共同生活を始めてしまう。愛想のよい少年は、すぐに家族との距離を縮めていき、その様子に峻は言いしれぬ不安を覚えるのだった。そんなある日、客間からもれ聞こえる妖しい声に誘われ、覗き見た峻は、少年タカとハルの激しい性交を見てしまう。その日より、妖しきバランスを保っていた日常は終わりを告げ、狂淫の幕が開いたのだった…