伸介は名家『秋宮家』に『ケンジ』と名を偽り、姿を変えて奉公している。それはすべて、ずっと想い続けてきた美坂久遠の為だった。・・以前、遠縁の名家『美坂家』に世話になっていたときに出会った、美坂家の長女・久遠。恋に落ち、淡い恋の密会を重ねていくうちに、2人の想いは更に強く、大きくなっていった。しかしそんな2人の関係は、屋敷の主人で久遠の父である孝三にバレてしまう。屋敷を追い出されてしまった伸介。彼は絶望しながらも、久遠を諦め切れなかった。やがて久遠が婚約、そして結婚する事を知り、ショックを受ける伸介。そこで伸介は秋宮家に奉公する事にしたのだった。秋宮家で、運命の再会を果たす2人……久遠は伸介に、まだ自分が清い身体である事を告げ、純潔を奪って欲しいと哀願する。戸惑いながらも、ずっと恋焦がれていた久遠を抱き、伸介はしばし幸せな気持ちを噛みしめる。だがそれは、周囲には永遠に認めてもらえない恋。久遠は伸介に、願い出る……『私を壊して欲しい』、と。この先、好きでもない男に抱かれ続けるなんて、絶対耐えられない。愛しい人がすぐ側にいるというのに。だから私を、貴方のその手で壊して欲しい。汚して、堕めて欲しい。その久遠の言葉に、黒い欲望と悲しいほどの愛しさを感じた伸介は彼女の願いを受け入れ久遠の調教を開始する。やがて2人の関係を知り、自分を調教に参加させることを条件に秘密を守る双子の姉・一葉や、純粋に『ケンジ』が好きで仲間に入れて欲しいと懇願する双子の妹・二葉も交え、さらに深い闇の中に墜ちていくのだった。