「今日もベストポジションだ！」ホームにあふれかえる制服姿の女子学生たち。素早く、そしてさりげなくホーム全体を見渡した。夏休みに入る少し前に見つけた、極上の美少女……俺の調べが間違っていなければ、彼女はこの時間の電車に乗るはずだ。来た。間違いない。あの子だ。この2ヶ月間待ちこがれた、俺の獲物だ。鍛えた俺の観察眼が、一目で彼女を最高の獲物だと見抜いた。とびきりの美少女で、生真面目で……そして、被虐体質。本人は気が付いていないかもしれないが、上目遣いの目線、何気ない仕草、そしてあの迷子の子猫のような表情。マゾの素質を持っていないわけがない。今この瞬間も、遠慮がちに左右の人を見て、半歩下がって列に並び直して……この気弱そうな仕草、まるで俺を誘っているかのようじゃないか。啓祐「さあ……狩りの時間だ」